名家の子息が通う私立三門学園は今きたるべき学生総選挙に沸いていた。
主人公、石動兵馬もまた選挙選の準備に追われていた。
彼が出馬するのではない。立候補するモノたちを手伝っているのだ。
野心とは無縁な学園生活を送る兵馬。
しかしそんな平穏な日常は、立候補者の演説の時に大きく変わる。
「私はこの学園に自分の「王国」を創ってみせる・・・その為に不必要なものがあるのなら、その一切を排除する」
壇上に現れた見慣れぬ少女−紅院薫子の言葉により、会場に満ちる怒号と失笑。
しかしその中で彼女は大胆不敵な笑みを浮かべ、頭上を指し示す。
「これが天命と知るがいいー!」
その言葉と共に晴天の空に鳴り響く雷鳴。
突然のことに絶句する一同に優雅に会釈すると、薫子は去っていく。
突然現れた少女と、なし崩し的に巻き込まれた選挙選、
そして勃発しつつある恋の三角関係−かくして兵馬の新たな日々が始まった。
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