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主人公・平田亮介は私立 霧乃坂学園の2年生。
地味で目立たないが、それなりに穏やかに生きてきた。
亡くなった祖父は街でも有名な科学者で発明家だったが、金になるような大発明はなく、海外の賞を取るようなこともなくこの世を去った。
残されたのは持て余すほどに大きな館と、祖父の助手をしていたというメイドが一人。
放蕩者の父親は旅から帰らず、母親は出ていってそれっきり。
孤独を愛する内弁慶に育った亮介は、人生を彩る派手な大事件やアクシデントとは無縁の生活を送っていた。
そんなある日、祖父が理論を完成させ設計までを終えていた装置を、メイドが完成させたと言ってきた。
その装置は、サンプルとして取り込んだDNAデータを元に、クローンを高速培養・製造する装置であった。
髪の毛1本、唾液の染みた布やティッシュの1枚もあれば、誰のクローンでも作ることが出来る……。
亮介の脳裏に、ここ数年ずっと片想いしている古川満月の顔がよぎる。 彼女のクローンが作れるなら……。
満足に話し掛けることも出来ず、後を付けたり遠くから観察することしか出来なかったけれど、彼女とまったく同じ存在が作れるのなら、無理して話し掛けたり、フラれるリスクを犯して告白する必要もない。しかも、何をしても誰からも文句を言われないのだ。それこそ口に出来ないようなゲスで淫らな行為すら、可能になる!
思わず亮介の股間が疼いた。 気がつくと、はち切れんばかりに勃起していた。
亮介は持っていた髪の毛を使って、すぐにでも "彼女" の培養を始めることにした。
今夜から始まるであろう、愛と肉欲の宴に心を躍らせながら――。
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