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私立、倫応学園――
それは学生数1万人を抱える巨大学園である。学園生たちが組織する委員会によって管理・運営されるそこに今、謎の存在が現れていた。その名は、学園ヒーロー!
"RGH" と刻印された銀色のベルトを身に着けた彼らの正体と目的は一切謎………ではない。
各委員会のマスコットキャラクターをやったり、何やらボランティアをしたり、さらには学園ヒーロー同士で戦ってみたりなどなど……とにもかくにもそんな騒々しい学園はその日、新たな年度を迎えていた。
新たな出会いに胸を高鳴らせる新入生。しかしその中で、剣呑な空気を漂わせる青年――武隈巌(たけくま いわお)がいた。
目を合わせると、殺される――
周囲の者がひそひそと囁くその声を聞きながら、彼はまた顔をしかめていた。 ――いや、違う。悲しんでいた。
幼い頃から犯罪者呼ばわりされていた容貌が悪いのか、それとも超がつくほどの心配性が悪いのか?そんな彼を運命は挑発するのか、それとも嘲笑っているのか、助けようとした女の子に暴漢と間違われたり、学園ヒーローの戦いに巻き込まれてみたり、さらに住むことになった寮はオンボロだったり…… 俺ってどこまで不幸なんだよ!?
ヘコんだ気持ちを癒すように、夜の散歩へと向かう巌。しかし、そこでも事件は起きる。学園生たちが学園ヒーローに襲われていたのだ。助けようとする巌だが、昼間のこともあるため、自分の顔を見せることを躊躇ってしまう。どうすれば助けることができるのか……!?悩む巌―― そのとき彼は "あるもの" を見つける。 それこそが――始まりだった。
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