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俺には妹がいる。名前は“咲姫”(さき)。見た目可愛くて、勉強もできて、スポーツもできる完璧な妹。兄妹仲は悪くはない。いや、良くもないが、極めて普通。普通にキモがられたり、普通に「勝手に部屋に入ってこないでよね」とか言われる。まあ、別にそんなことはどうでもよかった。別に俺は妹コンとかではないのだし、向こうも向こうで、別に兄コンとかではないはずだし。そう、思っていた――。
きっと、普通に誰か他人と恋愛して行くものだと思っていた。例えば近所に住む“泉美さん”とか。幼少の頃からの関係だ。気心も知れているし、割と昔から可愛がられているようにも思う。
はたまた、泉美さんの妹の“湖ちゃん”とか。こちらはも同じく、幼少の頃からの関係だ。ちょっと無口でボーッとしたところはあるけど、懐かれている気はする。いや、流石に○学生はマズいか……。
はたまた、妹の友達の“唯ちゃん”? ちょっと勝気でキツそうだけど、そんなところも可愛いか? まあ、きっとそんな誰かと……なんて思っていたけど、どうやら違っていたようだ。決定的な何かが足りなかった。股間的にも、精神的にも……誰にも満たすことができなさそうだった。
探し物はなんですか♪ 見つけ難いものですか♪
いいえ、「ソレ」は意外な程近くにありました。
そしてある日――
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