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主人公である“立川 一哉”は、とある女学院で講師を勤める青年。家庭環境に恵まれず、その心は少々荒んでいた。『何か面白いことはないのかよ?』――満たされない思いを抱え、日々を過ごす一哉。そんなある日のこと。適当に引っ掛けた風俗嬢の運転でドライブ中、夜の峠に差し掛かかる。その際、不意に車の前を何かが横切り、事故を起こしてしまう。
女は即死、一哉も瀕死の重傷を負う。息も絶え絶えな一哉が森の中を這いずっていると、夜の闇の中で争う二つの人影を目撃する。
やがて争いは終わり、勝ったと思われる人影が一哉に近づいてくる。
真っ黒なシルエットの『彼』は、一哉に『生きたいか?』と問い掛けてくる。『生きたい』と願う一哉に、『彼』は一つの取引を持ちかけた。『自分はしばらく眠りにつく。
生命を助け、力の一部を与える代わりに、自分を追ってくる教会の手の者を見つけ出し、始末しろ』───と。
このまま野垂れ死ぬよりよほど魅力的と感じた一哉は、取引に応じた。そして『闇の眷属の者』とだけ名乗る『彼』の力で生命を取り留める。
『彼』と一心同体となった一哉は、女から精力を奪って生きていかなければならない。しかし、それはむしろ一哉にとって望むところだった。
『彼』との契約を果たすべく───いや、むしろ自らの欲求を満たすべく───目的の獲物を求めて一哉は行動を開始する───。
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