|
霧島重工業の重役を代々引き継いでいる名門・暁家。
主人公・暁響 は暁家の一人息子として生を受け、父・雷電 の厳しい指導のもと、父や祖父の後を継ぎ霧島重工を支える人間であることを義務付けられていた。響に対する期待は大きかったが、だがそれは響にとって重荷以外のなにものでもなかった。
幼い頃は言うことに従っていた響も、年を重ねる毎に父に反発するようになっていく。
そして進学をきっかけに、響は家出同然に東京の自宅を出て、遠く離れた地方都市・二代市にある鳴海学園へ進学。二代市内にある暁家の別邸――通称・神楽邸 に住み込むことに……。屋敷を管理する女性・青葉美里 に日々の面倒を見てもらいながら、響は父親に翻弄されない平穏な日々を過ごす。
だが、響が望んでいた “平穏な日々” は、一人の女性との出会いによってあっけなく崩れ去ってしまう。響のもとを訪れた女性の名前は、生駒葵。
葵は自分が響の許嫁であること。 そして、正式に婚約する前に自分のことを知ってもらいたくて、神楽邸でしばらく一緒に住むことを告げる。
葵の存在――自分に許嫁がいたことなどまったく聞かされていなかった響は、やはり強引な父親に強い反感を覚える。しかしさすがに門前払いすることはできず、葵を神楽邸へと上げてしまう響。
しばらくの間、一緒に生活してみてお互いのことをもっと知りましょう――そんな葵の言葉に戸惑いを感じつつも、一つ屋根の下で生活することになる。
結局こんな所へ逃げ込んだところで、親父からは逃げられないんだ――葵との出会い、そして一緒に暮らし始めたことは、父親のプレッシャーから逃げ毎日を過ごしてきた響の心に、大きな変化を与えていく。自分が心地よいと感じていた平穏な日々が仮初めだったこと。暁の家に生まれた人間として、現実から目を背けられないことを響は理解する。
そして、今 自分に起きていることに対して、きちんと向き合うことを決意する。許嫁である葵と結婚するかどうかは別として、葵の提案を受け入れて共に生活する選択肢を選んだ響。それがきっかけだったのか、身近な女性との関係が少しずつ、だが確実に変化し始める。
|
|