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従姉である 犬養知実(いぬかい ともみ)の研究を手伝わされ、日々翻弄されている主人公・犬養雅彦。
ある日 研究室に顔を出すと、そこには血相を変えて慌てふためいている知実の姿が。
なんとか落ち着かせて話を聞いてみると、パトロンである国の少子化対策事業団体から、
あと1年程度で何らかの研究成果が出せない場合は資金提供の打ち切り、
場合によってはこれまで提供した資金の返還を求めるという通知が来たということだった。
マイペース過ぎる知実の自業自得とは思いつつも、見捨てることは出来ない雅彦は、
成果を出すアテはあるのかと尋ね、出来ることは何でも手伝うからと励ます。
すると知実は、散らかりまくっている机の上から、資料の束を引っぱり出す。
それは、かつて子供が生まれず滅びかかったところを神から授けられた泉、温泉の力で救われたという伝説の残る村についての資料。
確かに20年ほど前までは、その村にある温泉は子宝の湯として持てはやされていたが、今ではすっかりその効能が失われてしまっているらしい。
眉唾ものではと疑う雅彦だが、効能の確かさが認められていた資料が数多く残されており、
誰も効能が失われたことについて調査していなかったという点を指摘して、調べてみる価値はあると主張する知実。
起死回生の逆転ホームラン狙いなんだろうなと知実の考えを読んだ雅彦は、溜息を吐きつつも現地で調査を行うための手配を始めるのだった。
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